ディスプレイ業界の内情に詳しい調査会社DSCCが、Appleは2025年のiPhone17シリーズにおいて、Proモデルだけでなく全モデルに低温多結晶酸化物(LTPO)ディスプレイを採用するとの予想を伝えています。
iPhoneでは13 Proシリーズで初めてLTPOを採用
AppleはLTPO有機EL(OLED)ディスプレイを、Apple WatchにおいてはApple Watch Series 4(2018年)以降のモデルで、そしてiPhoneにおいてはiPhone13 Pro/Pro Max(2021年)、そしてiPhone14 Pro/Pro Max(2022年)で採用しています。
iPhoneのProシリーズではLTPO OLEDを採用したことにより、10Hz〜120Hzのリフレッシュレートが実現しました。
しかしLTPO OLEDを搭載しているのはProシリーズのみで、標準モデルが搭載しているのは低温ポリシリコン(LTPS)OLEDです。
iPhone17シリーズで全iPhoneがLTPO OLED搭載に
DSCCによると、LTPO OLEDを量産可能なサプライヤーの増加に伴い、スマホにおけるLTPOの採用率は上昇しています。
同社によれば、スマホ向けOLEDにおいてLTPO OLEDが占める割合は、2021年には10%だったのが2022年には23%へと上昇、2025年には40%を超える見通しとのことです。
LTPO OLEDシェア増大の背景には、高リフレッシュレートだけでなく、低消費電力で常時表示を実現するディスプレイへの需要拡大があります。
Appleは2025年発売のiPhone17シリーズにおいては、Proモデルだけでなく全モデルに、LTPO OLEDディスプレイを搭載すると、DSCCは予測しています。
つまり今年秋発売のiPhone15シリーズ、2024年発売のiPhone16シリーズにおいては、LTPO OLEDディスプレイを搭載するのはProモデルのみということになります。
2022年の売れ行き上位10機種中7機種がiPhone
またDSCCは、2022年通年でもっとも出荷台数の多かったOLED搭載スマホの上位10機種と、その出荷台数と売上高が全体に占める割合の調査データを公開しています。
それによると、出荷台数上位10機種のうち7機種がiPhoneで、1位はiPhone13(出荷台数シェア8%)でした。上位10機種で、2022年に出荷されたOLED搭載スマホの45%を占めたとのことです。
売上高(金額)ベースでは、iPhone14 Pro Maxが1位(11%)、2位がiPhone13、3位はiPhone13 Pro Maxでした。上位10機種で2022年のスマホ売上高の58%を占めています。
売上高ベースでは特にシェアが高いiPhone
DSCCは、2022年第4四半期(10月〜12月)と、2023年第1四半期(1月〜3月)のOLEDスマホ出荷台数についても言及しています。
2022年第4四半期の、出荷台数および売上高上位5機種のうち4機種がiPhoneでした。iPhone14 Pro MaxとiPhone14 Proを合わせると、出荷台数の25%、売上高の38%を占めたとのことです。
2023年第1四半期においても、出荷台数および売上高上位5機種のうち4機種がiPhoneでした。これら5機種が総出荷台数に占める割合は39%、そして売上高全体に占める割合はなんと50%にも上っています。
Source:DSCC
Photo:Apple
(lunatic)
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