任天堂の代表取締役クリエイティブフェローで、「マリオ」シリーズなどの生みの親として知られる宮本茂氏は、将来の「マリオ」シリーズのゲームをスマホアプリ向けに公開する計画はないと語っています。
今後、マリオシリーズのスマホ向け提供しない方針
任天堂の宮本茂氏は、映画「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」の公開を前に、エンターテインメント情報メディアVarietyの独占インタビューに応じています。
宮本氏は、今後の「マリオ」ゲームの主要なプラットフォームはモバイルアプリではない、と語り、将来の「マリオ」シリーズのスマホ向けアプリを公開しない方針を明確にしています。
任天堂はハードウェアとソフトウェアが一体となった、直感的なゲーム体験を重視しており、一般的なデバイスであるスマートフォン向けゲームがどうあるべきかを決めるのは難しかった、と宮本氏は振り返っています。
スマホ向けのマリオシリーズ公開により、より多くのユーザーに、片手の親指だけで操作できるマリオを体験する機会を提供できたことはメリットだったものの、スマホアプリは今後「マリオ」を提供する主要な場ではない、と宮本氏は述べています。
なお、宮本氏は、「どうぶつの森 ポケットキャンプ」や「ファイヤーエムブレム」などのシリーズの今後については語っていません。
「マリオカートツアー」は公開24時間で2,000万ダウンロード
スマートフォン向けの「マリオ」シリーズといえば、2016年12月にリリースされて1年間で6,000万ドル(約79億円)を売り上げた「スーパーマリオラン」や、2019年9月に公開されて1年間で3億ドル(約390億円)を売り上げを記録した「マリオカートツアー」があります。
しかし、ゲームコンソール向け「マリオカート8」の売上高30億ドル(約3,900億円)と比べると小さいのは事実です。
任天堂にとっては、スマホ向けアプリ市場は衰退しつつあり、「ドクターマリオワールド」のように公開後2年間でApp Storeから削除されたゲームもありました。
Apple発表会にも登壇した宮本氏
宮本茂氏といえば、iPhone7が発表された2016年9月のAppleイベントに登壇して「スーパーマリオラン」のデモプレイを披露して注目を集めました。
翌月の2016年10月には、来日したAppleのティム・クック最高経営責任者(CEO)が京都の任天堂本社を訪問し、一緒に「スーパーマリオラン」をプレイしています。
自社製ハードにユーザーを引き込む戦略か
自社製品のエコシステムでしっかり利益を出せている任天堂としては、同社の顔と言えるマリオシリーズでNintendo Switchなどの自社ハード製品にユーザーを引き込む戦略なのだと思われます。
同社の戦略は理解できるものの、小学生時代に初代ファミコンで「マリオブラザーズ」に熱狂し、「スーパーマリオラン」や「マリオカートツアー」を家族で楽しんできた筆者としては、今後のマリオシリーズの新作がiPhoneでプレイできないのは寂しく感じてしまいます。
Source:Variety
(hato)
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