男性向け雑誌「GQ」が、Appleのティム・クック最高経営責任者(CEO)にロングインタビューを行いました。インタビューではクックCEOの職場での日々のルーティンから他者によるクック氏評、Appleの未来についてどのように考えているかなどが書かれていますが、非常に長いので、興味深い部分のみを抜粋してお伝えします。
クックCEOの1日
メールアドレスを公開しているクックCEO、毎朝5時起床で届いたメールは全部読むそうです。
定例会議では質問するのが好き。「どうなっているのかにとても興味がある」(クックCEO)が社員を深く追求することはないものの、質問をしてうまく説明できない場合は、問題が起きていることが多いと考えているそうです。
退社時間は午後6時半〜7時くらい。
表情の読めないクック氏。「ノーマル」は嫌い
エディ・キュー氏によるクック氏評。「クック氏の表情は非常に読みにくい。彼の顔の動きを見て、何かを決めようとか、信じようとか思うなら、まずうまくいかないだろう。ポーカーをやったら絶対勝てるといつも冗談をいうくらい。何せエースを4枚持っていたって誰も気づかないだろうから」
自分はアウトサイダーだとクック氏は語ります。「ノーマル」という言葉を嫌い、「自分をノーマルだと言ったことは一度もない」これは「ノーマル」という言葉が、性的ストレートという意味合いで使われることが多いからのようです。
誰かの目よりも電話を見ている時間のほうが長いのは間違いだ
Appleをビジネス面で大きく成長させた功労者であり、またApple WatchやAirPodsなど、クック氏のCEO任期中に発売された新製品が数多くあるにも関わらず、そうした成果についてはあまり語ろうとしません。そして「過去を振り返ることはほとんどありません。我々は常に未来にフォーカスしていて、何かを真剣に夢見た時、そして過去に縛られない大きなアイディアを得た時に、スタートラインに立てたのだと思えるようにしています」と語ります。
「誰かの目を見ている時間よりも電話を見ている時間のほうが長いというのは間違っている、というのが私の哲学です。そのために『スクリーンタイム』を作りました」「我々の電話をそんなに長く使ってほしくない。そういう意味で(iPhoneを)つくっていないし、そうなって欲しくない。そのためのツールを提供している」
AR/VRに対する高い期待
クック氏は「Reality Pro」と噂され、6月5日開幕の世界開発者会議(WWDC23)での発表が期待される拡張現実/仮想現実(AR/VR)ヘッドセットについては否定も肯定もせず、そうしたデバイスの「可能性」についてのみ語っています。
現実世界にデジタル世界を重ねて見ることができるAR/VRデバイスは、人々のコミュニケーションを大きく広げることができ、これまでにできなかったことが可能になるとクック氏は述べており、AR/VRに対する期待値の高さが伺えます。
そしてGQ誌がクック氏に、Google Glass、そして最近ではMeta Questにしても、あまり成功しているとはいえない市場に参入することについてどう思うかと尋ねると、クックCEOはその質問には直接回答せずに、Appleがこれまで、人々が成功を疑う分野に参入しながらも、成功を収めてきた歴史について語りました。
「我々が成し遂げてきたことのほぼすべてが、人々が成功を疑ってきたことです。最先端を行こうとすれば、懐疑的に見られます」Appleが市場へ参入するか否かを決める時、クック氏は常に自分にこう問いかけるそうです。「ほかの人々がなし得ていない、何らかの方法で、目覚ましい貢献ができるだろうか。そのための主要技術を持っているだろうか。誰かのものをつなぎ合わせることには興味がありません。我々は主要技術をコントロールしたいのです。それこそが発明ということなのだから」
Source:GQ
(lunatic)
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