Appleは2021年6月の世界開発者会議(WWDC21)において、2021年中に米国の一部の州で発行される運転免許証などのIDをWalletアプリに登録できるようにすると発表しました。そして9月には、最初に同機能が利用可能になる州として、アリゾナ、ジョージア、コネチカット、アイオワ、ケンタッキー、メリーランド、オクラホマ、ユタの8つの州の名前を明らかにしています。
しかし現時点で同機能は、アリゾナ、コロラド、メリーランドの3つの州でしかサポートされておらず、展開が遅れているようです。
その他の州への導入時期は不明
Appleは8つの州の他、同機能を導入予定である州を追加で発表しましたが、どの州も詳細な時期を明らかにしていません。
現時点で、同機能が導入予定と発表されている州は次の通りです。
- コネチカット州
- ジョージア州
- ハワイ州
- アイオワ州
- ケンタッキー州
- ミシシッピ州
- オハイオ州
- オクラホマ州
- ユタ州
なお、Appleによると、同機能はプエルトリコでもサポートされる予定だということです。
Apple Wallet担当副社長のジェニファー・ベイリー氏は2021年、同社が「既に多くの州と協議中」であり、将来的には、この機能を全米に導入できるよう取り組んでいると述べています。ただし、Appleはこの機能を他国へと拡大する予定については明らかにしていません。
また、フロリダやルイジアナなど一部の州では、このWalletアプリの機能とは別に、州が独自に運営するアプリを通じてiPhoneに運転免許証を登録できるようになっているということです。
空港でもWalletアプリに登録した運転免許証を提示可能
現在、一部の空港内のTSA(米国運輸保安庁)セキュリティチェックポイントで、Walletアプリに登録した運転免許証や州身分証明書(州ID)を提示できるようになっています。
現在、同機能が利用できる空港は次の通りです。
- ボルチモア・ワシントン・サーグッド・マーシャル国際空港(BWI)
- ロナルド・レーガン・ワシントン・ナショナル空港(DCA)
- フェニックス・スカイハーバー国際空港(PHX)
- デンバー国際空港(DEN)
ただしAppleは、旅行者はTSAチェックポイントの標識を見て同機能が利用可能かどうかを確認する必要があるとしています。
日本の動き
日本政府は2022年10月、マイナンバーカードの電子証明書をスマートフォンに搭載し、マイナンバーカードと健康保険証及び運転免許証を一体化する計画を発表しました。
その際、河野太郎デジタル大臣は、2023年5月11日からAndroidスマートフォンでマイナンバーカードの各種機能が利用可能になると発表しましたが、iPhoneについては未定としていました。
その後、岸田文雄総理大臣がAppleのティム・クック最高経営責任者(CEO)と会談した際、iPhoneにマイナンバーカードの機能を搭載するよう要請したと報じられ、2024年以降にiPhoneに同機能が搭載される可能性が示唆されています。
現時点ではマイナンバーカードがWalletアプリに登録できるようになるかは不明ですが、近い将来、何らかの方法でiPhoneでもマイナンバーカードが提示できるようになる見込みです。
Source:MacRumors
(m7000)
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