Appleは、医療機器メーカーMedtronicで10年近くの勤務経験があり、3月にAppleに入社予定のキャロル・サーフェス氏を最高人材活用責任者(CPO)に任命しました。サーフェス氏は、同社にとって初のCPOとなります。CPOは一般的に、人材獲得、人材育成、従業員の定着率の向上など、人材の流出防止と企業の利益を向上させるための活動を行います。
Apple初となる最高人材活用責任者(CPO)
ティム・クック最高経営責任者(CEO)は今週、従業員宛てのメモの中でこの発表を行なったということです。サーフェス氏は3月から正式にAppleに入社し、ティム・クック最高経営責任者(CEO)の直属となる予定です。これにより、リテール+人事(Retail + People)担当シニアバイスプレジデントを務めるディアドラ・オブライエン氏が人事を離れることになります。
オブライエン氏は1988年にAppleに入社し、ワールドワイドセールス&オペレーション担当バイスプレジデントを務めた後、2017年に人事担当バイスプレジデントに任命されました。その後、アンジェラ・アーレンツ氏の退職にともない、2019年に現職に就任しています。彼女は、ミシガン州立大学で業務管理の学士号、サンノゼ州立大学でMBAを取得しており、30年以上Appleに勤務するベテランです。
キャロル・サーフェス氏について
サーフェス氏は、Medtronicで10年間近く人事担当エグゼクティブバイスプレジデントを務めていました。ぞれ以前にもサーフェス氏には、世界最大の家電量販店Best Buyや大手食品・飲料会社PepsiCoで人事に携わってきた経験があります。彼女は、キャッスルトン大学で心理学の学士号を、セントラル・ミシガン大学で産業・組織心理学の博士号を取得しているということです。
Apple Storeで労働組合結成の動きなどに対応か
Bloombergはオブライエン氏が人事を離れることで、米国内のApple Storeで労働組合結成の動きが激しくなるなど混乱するリテール部門の業務により集中できるようになることを指摘しています。Apple Storeだけでなく、オフィス勤務の従業員からもオフィス復帰に関する不満の声が上がるなど、同社の従業員満足度は下がっていると言えるでしょう。
実際、企業の口コミサイトGlassdoorが毎年公開している、働きやすい職場ランキング「100 Best Places to Work」の2023年版では、Appleの順位は2022年の56位から100位外へと転落しています。このような流れを受けて、Appleは人事に関する様々な課題や問題を解消するため、今回、人事変革に踏み切ったと考えられます。
Source:Bloomberg,Apple via 9to5Mac,MacRumors
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