スマートウォッチやバンドなどを含むウェアラブルバンド市場が伸び悩んでおり、2022年第4四半期(10月〜12月)の出荷台数は5,000万台で、前年同期の2021年第4四半期と比べると18%減となったと、調査会社Canalysが見積もっています。
クリスマス商戦含む第4四半期が2桁減に
Canalysによると、第4四半期というのは例年出荷台数が伸びる傾向にあるため(クリスマス商戦を含むため)、2桁減というのは初とのことです。
同社はカテゴリーを「スマートウォッチ」「ベーシックウォッチ」「ベーシックバンド」の3つに分類していますが、なかでも出荷台数減少に苦しんだのが基本機能のみを搭載した安価なベーシックバンドで、9四半期連続での減少(9四半期前と比べると43%減)を記録したとのことです。
Apple Watchも前年同期比17%減に
世界的な経済不況の波は、スマートウォッチ市場で最大シェアを持つAppleでも回避することはできませんでした。2022年第4四半期のApple Watchの出荷台数は1,380万台で、前年同期比17%減と推測されています。
しかし競合他社の減少幅がAppleよりもはるかに大きかったため、市場シェアは2021年第4四半期の27.1%から、2022年第4四半期は27.5%へと拡大しています。
SamsungはTizenからWearOSへ移行
Googleは、Fitbitバンドの出荷台数が大幅に減少したものの、同社初のスマートウォッチPixel Watchの発売により、減少幅が25%で済み、シェアでは2位に浮上したと、Canalysは分析しています。
Samsungは、スマートウォッチのOSとして自社開発してきたLinuxベースのOSであるTizenを、2021年にGoogleが推進するWearOSへと統合。同年発売のGalaxy Watch4以降は、WearOSを搭載しています。
2022年にはWearOS搭載第2号となったGalaxy Watch5シリーズを発売したSamsungですが、2022年第4四半期におけるスマートウォッチの出荷台数は290万台と対前年同期比35%減と落ち込みました。
2022年通年では5%減に
2022年通年では、スマートウォッチの成長率が対前年比で3%増、ベーシックウォッチが同21%増、一方でベーシックバンドは39%減でした。ベーシックバンドの需要減をスマートウォッチとベーシックウォッチ需要が相殺できず、結果としてウェアラブルバンド市場全体では5%減となりました。
メーカー別では、出荷台数を増やしたのはAppleのみで、Samsungを除く3社は軒並み2桁台のマイナスです。
2023年は2%増と予測
Canalysは2023年については、通年で2%増という、控えめな成長率になると予測しています。
スマートウォッチは2023年通年で対前年比8%増、ベーシックウォッチは6%増が見込まれるものの、ベーシックバンドの出荷台数は今後も減少し続ける見通しであるのが、2%増成長率の根拠となっています。
Source:Canalys
(lunatic)
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