スマートフォン上での地図のナビゲーションがあればどこでも行けるかのような錯覚を覚えがちですが、英国の湖水地方へとスマホのナビを頼りにハイキングに出かけた男性が遭難した、とBBCが報じています。幸運にも、男性は無事救助されたとのことです。
70人以上が遭難した男性を捜索
湖水地方は、イングランド北西部・カンブリア郡に位置する、氷河時代の痕跡が色濃く残り、渓谷沿いに大小無数の湖が点在するる風光明媚な地域です。イングランド有数のリゾート地・保養地としても知られる湖水地方ですが、安易な気持ちで探索に出ると痛い目に遭うかもしれません。
スカフェルパイクとグレートエンドの間の尾根でトラブルに見舞われたと男性が緊急電話を発したのは現地時間20日18時半のことです。総勢70人以上が男性の捜索にあたりましたが、位置を特定するのに翌日の14時半までかかったそうです。男性は低体温で、膝、足、脚に怪我をしていたといいます。
命を救ってくれるのは地図とコンパス
「救助について、普段私たちはほとんどコメントすることはありませんが、彼は本当に幸運だったとしか言いようがないです」と、ワスデール山岳救助隊は述べています。
こんなときにiPhoneの衛星経由の緊急SOSがあればすぐに位置がわかったのに、と思われるかもしれませんが、スマホだけを頼りに自然の中に繰り出すのはリスクが大きいと救助隊は指摘しています。
スマートフォンのGoogleマップは、坂道でのナビゲーションには向いていないと言わざるを得ません。詳細な情報が得られませんし、バッテリーが切れると使えません。
地図とコンパス、そしてそれを使えることに越したことはありません、これらの道具は命を救ってくれます。
転ばぬ先の杖とも言いますが、遭難したときに役立つかもしれない衛星経由の緊急SOSをあてにするよりも、まず遭難しないことを念頭に置いたほうが賢明なのではないでしょうか。
今回男性の捜索には、合計9つの救助隊と5頭の捜索犬、2機のドローンが参加したと伝えられています。
Source:BBC
Photo:Robert Freeman/Wikimedia Commons
(lexi)
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