台湾TSMCは、AppleのAシリーズチップを製造する大手チップメーカーですが、Appleが同社に発注するシリコンウェハーの数を相当数減らしたことが明らかになりました。
A17 Bionicチップの生産数も減少へ?
AppleがTSMCへのシリコンウェハーの発注数を減らしたとの情報は、中国のソーシャルメディアWeiboのユーザー@手机晶片达人(モバイルチップマスター)なるリーカーの投稿がもとになっています。同氏によれば、AppleはTSMCへの発注数をシリコンウェハー最大120,000枚減らしたとのことで、ウェハーの種類にはN7、N5、N4、そしてN3ノードが含まれるそうです。
iPhone15およびiPhon15 Ultraに搭載見込みのA17 BionicチップにはTSMCのN3(3nm)プロセスノードが使用されるといわれており、AppleのM2 UltraおよびM3チップも同じノードになるとされています。
一部大手メーカーがTSMCへの発注をキャンセル
世界経済の低迷や昨年のチップ不足の影響が残る中、一部の大手メーカーがTSMCへの発注をキャンセルしています。
AppleはTSMCにとって最大の顧客であり、同社の収益の25%を占めるといわれており、発注数減による影響は大きいと推測されます。
チップはシリコンウェハーから作られますが、ウェハーの値段は上昇傾向にあり、2004年に90nmのウェハーが2,000ドルだったのが、2016年に10nmで6,000ドル、5nmでは16,000ドル、そして最新の3nmでは20,000ドルまで値上がりしています。
1枚のウェハーからどれくらいのチップが生産できるのかはわかりませんが、発注数減はチップ業界とAppleの両方にとって憂慮されるべき事態なのではないでしょうか。
TSMCは、熊本に総工費約9,800億円の日本第2の生産施設の建設を計画していることでも知られています。
Source:PhoneArena, 共同通信
Photo:TSMC
(lexi)
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